腐植酸

腐植酸ができるまで

 

腐植酸は自然界でつくられる天然のものですが、その起源は大きく分けて二つあります。
まず一つ目は、動物の死骸や枯れた植物が土に埋もれて、土壌中の微生物の働きによって分解されていく過程でさまざまに変化しできるもので、これを“土壌腐植酸”と言う場合もあります。

 

二つ目は、一つ目が土壌腐植酸と言うのに対し、“石炭系腐植酸”と言い、大昔の植物が地中に埋もれてできた石炭から得られたものです。石炭生成の初期で炭素があまり進まない段階でできているものと、一旦、石炭になったあと、気温の変化や水による浸食、空気中や土壌中の化学物質などによって形態が変化する段階で生成されるものに分けられます。
この土壌系と石炭系の腐植酸は多少構造の違いはありますが、どちらも動植物が起源という性質は同じです。

 

天然の腐植酸は、太古の昔には地球上に生い茂る植物たちが地殻変動などで地中に埋もれ、何百年、何千年と月日を経て、地中の微生物や酵素、カビ類、原虫などの働きにより、発酵や有機触媒、物質転換作用を繰り返しつつ、炭化する過程で生まれています。

 

最も炭化が進んだものには亜炭から石炭となります。また、炭化過程の未熟なものは草炭や泥炭で、その炭化する途中に、特徴的な物質を含んだ腐植酸炭素の地層があります。腐植酸には石炭は含まれておらず、亜炭や泥炭などにもごくわずかしか含まれていません。

 

石炭系腐植酸の化学的構造の特徴は土壌腐植酸に比べて芳香族性が強いということです。
これは、太古の植物が炭化する過程で、炭化が進むに連れて炭素と炭素の結合が多くなり、炭素の水素や酸素との結合が少なくなります。これによって形成される分子はより芳香族性が高くなり、より高分子へと変化していきます。
このことから、土壌腐植酸はより高分子で、その結果、有機酸としての活性基として、水酸基、カルボキシル基の単位重量あたりの量は土壌腐植酸と比較すると小さいのです。以上から石炭系腐植酸は、土壌腐植酸よりもキレート機能が高いということが確認されています。